損害賠償の基準:慰謝料と逸失利益

逸失利益とは

後遺症(後遺障害)が残った場合には、精神的損害(慰謝料)だけで、損害を賄うことはできません。脳に障害が残ったり、指を欠損したり等後遺症(後 遺障害)が残った場合には、労働能力が喪失し、「交通事故がなかったら、働いて稼げたであろう財産」を稼げなくなってしまいます。そこで、それが損害とな り、損害賠償の項目になります。

逸失利益は、後遺障害が残った場合に、当該後遺障害が残ることにより減少した収入額のことです(「差額説」といいます)。この考え方によると、後遺 障害が残ったにもかかわらず、減収がない場合には損害がないことになり、逸失利益は認められないことになります。しかし、判例では、減収がないことが「本 人において労働能力低下による収入の減少を回復すべく特別の努力をしているなど」「特段の事情」がある場合には、現実の減収がなくても逸失利益を認める可 能性を残しています。

逸失利益の計算方法

逸失利益とは、後遺障害を残したことによって減ってしまった収入を補償してもらう性質のものです。

本来、現実に収入が発生していなければ損害も発生していないとする考え方もあるのですが、
現実に減収がないからといって将来の減収の可能性について一切考慮せず切り捨てることは
被害者にとってあまりに酷だと言えることから、現実に収入が減っていなくとも、
それは被害者本人の努力によるものであると評価して、
労働能力を喪失した事に対する慰謝料的な意味合いで逸失利益が算出されているのが現状です。

具体的な逸失利益は、
『年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数』
で算出されます。

労働能力喪失率は、自賠責の1級~14級の後遺障害等級に対応して喪失率が決められていますが、
自賠責以外では、実際の怪我の内容によって喪失率は異なる扱いになっています。

労働能力喪失期間は、原則として症状固定時から67歳までの年数となりますが、
67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる場合(高齢者の場合)は、平均余命の2分の1で計算されます。

死亡事故の場合

逸失利益 = 基礎収入額 ×(1-生活費控除率)
         × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数

【具体例】

給与所得者の33歳男性の場合

事故前の年収  495万円
生活費控除率   50%
67歳までの34年間に対応するライプニッツ係数  16.1929
▼計算式
495万円×(1-0.5)×16.1929=4007万7427円

高校3年在学中で大学進学希望の18歳女子

事故前の収入   なし
(平成9年大卒女子の全年齢平均賃金の448万6700円と認定)
生活費控除率   30%
18歳から67歳まで49年間に対応するライプニッツ係数 18.1687
大学在学中の4年に対応するライプニッツ係数     3.5459
▼計算式
448万6700円×(1-0.3)×(18.1687-3.5459)=4592万5681円

後遺障害の場合

逸失利益 = 基礎収入額 × 労働能力喪失率
         × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

【具体例】

10歳の男子

事故前の収入   なし
(平成9年男子全年齢平均賃金の575万0800円と認定)
労働能力喪失率  35%(傷害)
10歳から67歳までの57年間に対応するライプニッツ係数 18.7605
10歳から18歳までの8年間に対応するライプニッツ係数  6.4632
▼計算式
575万0800円×0.35×(18.7605-6.4632)=2475万1759円

大学卒業後信用金庫に就職して2年目の24歳男子

事故前の収入   年収290万円
(平成9年大卒男子全年齢平均賃金の687万7400円と認定)
労働能力喪失率  35%(傷害)
24歳から67歳までの43年間に対応するライプニッツ係数 17.5459
▼計算式
687万7400円×0.35×17.5459=4223万4560円

後遺障害慰謝料

後遺症が残り、後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料を請求することができます。これは後遺症が残ったことにより将来にわたって受ける苦痛などを慰謝する ためのものですので、入通院慰謝料とは別に請求することができます。その金額は後遺障害等級によって目安が設けられています。
詳しくは下記の等級表ををご覧ください。

介護を要する後遺障害

後遺障害等級 自賠責保険金額 うち慰謝料額 うち逸失利益
1級 4000万円 1600万円 2400万円
2級 3000万円 1163万円 1837万円

後遺障害を伴う慰謝料

後遺障害等級 自賠責保険金額 うち慰謝料額 うち逸失利益
1級 3000万円 1100万円 1900万円
2級 2590万円 958万円 1632万円
3級 2219万円 829万円 1390万円
4級 1889万円 712万円 1877万円
5級 1574万円 599万円 975万円
6級 1296万円 498万円 798万円
7級 1051万円 409万円 642万円
8級 819万円 324万円 495万円
9級 616万円 245万円 371万円
10級 461万円 187万円 274万円
11級 331万円 135万円 196万円
12級 224万円 93万円 131万円
13級 139万円 57万円 82万円
14級 75万円 32万円 43万円

自賠責基準と裁判基準の比較

自賠責は、最低限の保障のための強制保険です。
ですので任意保険会社の最初の慰謝料提示額は、自賠責基準に多少上乗せした程度の場合が多いですが、裁判基準とは異なりますので、それを念頭において交渉する必要があります。

後遺障害等級 自賠責基準 裁判基準
1級 1100万円 2800万円
2級 958万円 2400万円
3級 829万円 2000万円
4級 712万円 1700万円
5級 599万円 1440万円
6級 498万円 1220万円
7級 409万円 1030万円
8級 324万円 830万円
9級 245万円 670万円
10級 187万円 530万円
11級 135万円 400万円
12級 93万円 280万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

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